海外の銀行が、日本の銀行と違うところ
いま、シンガポールに来ております。今朝こちらに到着してからずっと曇っておりまして、たまに雨がポツポツ来たり、夕方には少しまとまって降ったり嫌な天気です。暑いのに、そこに雨が降ると湿度まで高くなって蒸し暑い。ほんと、日本の冬にシンガポールを往復すると風邪をひくのは仕方ないって思うんですよね。まあいいけどw
今日、用事がありまして銀行に行きました。まあ、世界中で銀行と言えばあまり代わり映えしない感じでして、どこの国の銀行に行っても「ああ、銀行だなあ」と言う感じですw ただ、1点だけ日本の銀行と違うところがありまして、顧客に「それは止めたほうがいい」と言うネガティブなアドバイスを行員さんがしてきます。
どう言う事かといいますと、日本の銀行の窓口で定期預金なり投資信託を「これ、申し込みたいんですが」と言ったら、100%受け付けてくれますよね?ところが海外の銀行、特に金融を売りにしているシンガポールや香港で同じ事を言いますと、簡単には受け付けてくれません。行員さんが納得しないと受け付けてくれない=売ってくれないんです。
理由はいくつかあるようでして、
・途中解約などがあると、行員さんにもペナルティがある。
・お客さんが利益になるように、最善を考えようとしてくれる。
・顧客は組織の顧客では無く、自分の顧客と言う意識がある。
この中で、上の2つはなんとなく分かるかと思います。途中解約などのペナルティに関しては、日本でも生命保険のセールスさんなどに存在しているようですし、仕事に一生懸命な方でしたら、最善を尽くそうとするのはむしろ自然な事でしょう。ただ、それにしても日本の銀行でしたら「止めたほうがいい」とは言わずに「それよりも、こちらの方が」と代替案を出してくるだけかと思います。
ところが、ところが、こちらの行員さん「だったら、うちの商品じゃ無くて、◯◯証券の◯◯って言う方がいいと思いますよ」と、なんと自行どころか、別の銀行どころか、別の業種である証券会社まで出して来て教えてくれたりしますww
そこが一番下の「顧客は自分の顧客」と言う部分でして、これを許している組織も凄いと言いますか、ある意味では究極のカスタマーエクスペリエンスと言えます。カスタマーエクスペリエンスは、なんとなく使ってみたかったので書いてみましたw
これ、もし行員さんが別の会社(銀行だけでなくあらゆる会社)に転職した際には、お客さんを一緒に連れて行かれてしまう可能性があるわけでして、じゃあ当然にお客さんを連れていいくのは禁止されているのかと言いますと、いやいや堂々とお客さん連れて行っちゃうそうです(汗;
そうならないようにするためには、優秀な行員さんはより働きやすいように組織も頑張る必要があり、そう言う組織には優秀な人も集まって来るので、優秀な人はお客さんも連れてきてくれると・・・
机上の空論のようなビジネスが成立している事に驚くとともに、よく考えてみたら、日本の会社でも銀行じゃ無ければよくある話なんじゃ無いかとも思うわけで・・・
ここまで来て、ようやく「もしかしたら、日本の銀行が特殊なのかもしれない」と言う考えまで巡ってくる事が出来ました。
と、思った次第ですw
あっ、もちろんシンガポールや香港など、海外の銀行が全て同じだとは申しません。当然日本のように、いや、日本よりも自分の利益最優先で日夜頑張っている銀行も多く存在しますので、見極める力は必要かとは思います。まあ、行員さんの話方ですぐに分かりますけどw