空港と旅券
今日、これから日本へ帰ります。まだ市内にいるんですが、もう少ししたら空港へ行こうかなって感じです。
香港って、昔は本当に市内に空港がありまして、その頃は啓徳(カイタック)空港とも呼ばれておりました。よく古い香港映画に出てくる、あの街中を飛行機が飛んでいる様子は、当時はそれが当たり前でした。今は沖合の島を埋め立てた方へ移動しまして、以前の啓徳空港と区別するために赤鱲角(チェップラップコック)空港とも言われております。
空港って書いておりますが、中国語では空港とは言いません。標準中国語の簡体字では「机場」繁体字では「機場」と書きます。ちなみに「机」は日本の漢字の机では無く、「機」を凄く簡単に書いたものでして、日本語での机は卓になります。ここから先、中国語の文字は、日本人に馴染みやすい繁体字で書きます。
古くからある言葉や物では、中国で使われてる漢字を使った単語の意味も、日本で使われてる漢字を使った単語の意味も同じだったりする物が多くありますが、近代になってから出来た単語は、その漢字1文字1文字の意味を合成して日中それぞれで作ったため、全く別と言う物が多くあります。
例えば、日本語で「腕時計」は中国語で「手表」でして、腕に付ける時計だから腕時計と言う日本語の表現も分かりますし、中国語では手首から先を手と表現するので、そこに付ける中国語で小さな時計を表現する表の2つを組み合わせて手表とするのも分かります。
先ほど書きました 日「空港」 中「機場」もそうですし、パスポートを意味する 日「旅券」 中「護照」もそうです。
空港と機場、空港って空の港と言う凄く風情のある言い方で、中国語の機場と言う現実的な少し味気ない漢字の組み合わせより好きです。
旅券と護照、これはパスポートが持つ異国の地での身分証明と通行する各国へ向けた擁護要請の意味からしても、中国語の護り照すと言う2つの漢字の組み合わせの護照の方が美しいしカッコいいかなって思います。
新しい言葉が出来る時に漢字を当てる人が、現実派なのかロマンチストなのかで変わるんでしょうかねえ?www