法定相続分とは
先日、こんな質問をされました「遺言書けば、法定相続分は無視して、自由に相続させる人を指定できるって聞いたんですけど」です。よくある質問といえば、よくある質問なんですが、どこで聞いたのか確認したら「ネットに書いてあった」んだそうでして、それって聞いたって言うんでしょうかね。
どんなサイトで見たのか、まさかヤフー知◯袋とかじゃないだろうなって思ったら、さすがにそうではなく、それなりに相続に関してまとめてあるサイトでした。さすがにリンク張ると問題になりそうなので省略しますが、相続のバイ◯ルとか言うサイト名でしたww
以前、こんな相談をされた事がありました。
子どもが居ない夫婦が親に相続させたくないと言うものです。子どもがおりませんと、残された配偶者と亡くなった方の両親が法定相続人となりますので、それをどうにかと言う相談でした。
ご覧いただければ分かるのですが、その時に提案しましたのは、仲の良い相談者の妹さんを夫婦の養子にしてしまえばいいと言う、我ながら究極過ぎる提案だったのですが、さすがにそれはどうだろうって事になったらしく、とりあえず遺留分を除いた残りすべてを配偶者に相続させると言う遺言を作成しました。
はい、ここで登場しました遺留分、よく聞くかと思うんですが、非常に多くの方が「遺留分と言うのは、法定相続分を難しく言った専門用語」だと誤解されております。ですので、冒頭で質問されてきた方はネットでの記載を見て「遺言書けば、法定相続分は無視して、自由に相続させる人を指定できるって聞いたんですけど」と、実際には「子どもの1人に全部相続させたい」と、相談して来たんです。
この「遺言書けば、法定相続分は無視して、自由に相続させる人を指定できるって聞いたんですけど」文章自体は、実は正解なんです。法定相続分と言うのは、遺言で指定する事で無視できます。ただし、遺留分は侵せません。
例えば、配偶者とお子さん1人を残して旅立った場合ですと、配偶者が1/2・子どもが1/2の半分づつの法定相続分となってまして、遺留分はそれぞれが1/2となりますので、相続財産の全体から見たときの遺留分は、配偶者が1/4・子どもが1/4となります。⇑これ、パッと聞いてわかります?
こんな感じで事例を上げて、いろいろと小難しく解説しているサイトも多くありますが、遺言で自由に処分できる財産が一体どれくらいなのか、わかりにくいですよね?民法の規定をもっと簡単に、遺留分をズバッと一言で言う事ができるんです。遺留分がズバッと分かれば、遺言で自由に処分できる財産も簡単にわかります。なにしろ、相続させる財産から遺留分だけ引けばいいんですから。
基本的には、相続財産全部の1/2が遺留分
ただし、両親しか相続人がいない場合は相続財産全部の1/3が遺留分
つまり、遺言で自由に処分できる財産は、通常は全体の半分だと思ってまず間違いありません。今回の相談者の「子どもの1人に全部相続させたい」は、いくら遺言書いても難しいと言う事です。これを実現する方法としては、生前から「なぜ1人に財産全部を継がせたいのか」を、奥さんや他のお子さんに説明し理解を得られたなら、亡くなった後で残された皆さんで遺産をそのように分割してくれるだろうと信じて、旅立つ事くらいでしょうかw
それと、老後によく面倒を見てくれた長男の嫁に財産を残してあげたい場合、必ず遺言が必要になりますので、長男のお嫁さんは、面倒を見ている舅さんや姑さんに遠回しに教えておいた方がいいと思いますww