yuan² は、中国語で "元" の発音(pinyin)です

日常のつぶやき + 会社での出来事 + 奥様観察日記

皆さん最近、コメント欄を承認制にするのが流行ってるようなので、私もコメント欄をゲスト可の承認制にしてみました \(^o^)/

日本に帰国した時に、もしパスポートが無かったら。

先日、某秘書子7号が、申請してあった日本のパスポートを受領して会社に帰ってきまして、パスポートをじ~っと眺めておりました。「そんなに見てると穴が開くぞ」と言いますと「もし、このパスポートを日本に入国する時に持ってなかったら、入国拒否されるんですよね?」と、なんとバカな事をwww

「入国拒否されたら、どうなるんだよ?」 

「強制送還?」

「どこに?」

「出発地?」

「乗り継いでたら?」

「乗り継ぎ地?」

「ロシアで乗り継いでたら?」

「・・・?」

「いや、だからロシアは乗り継ぎ以外じゃビザが必要だろ?」

「じゃあ、別の国のパスポートで入る???」

「普通の人は日本のパスポートしか持ってないだろ?」

「じゃあ、一体どうしたらいいんですか!!!」

と、最後は逆ギレされたわけですが(汗;

 

日本に入国するためには「有効なパスポート又は船員手帳、それに代わる官憲の発行した身分証明書」及び「日本国査証又は査証免除の要件を満たしている事」が必要です。本来の "入国" と言う意味は、外国籍の方がその国に入るための手続きでして、これを日本の法律で外国籍の方が日本に入国する事は「上陸」といいます。

 

では、日本国民が日本に一般的に言われている "入国" するために必要な要件とは何でしょうか。答えは「日本国民であると入国審査官を納得させる事」です。え?と思うでしょ?いや、法律のどこにもパスポートが無いと日本国民が日本に入国出来ないとは書いて無いんですよ。ただ、「パスポートは本邦(日本)の出入国に有効な渡航文書」として定められておりまして、当然に日本国籍を証明する事も可能なわけです。

じゃあ何?パスポート無くても日本に入れるって事?」みたいにキレられても困りますが、ええ、そのとおりです。日本国籍さえ証明できれば、日本に入国出来ます。ちなみに日本国籍の方が日本に入るための手続き、これを法律では「帰国」といいます。

 

さて、実務的に見ますと、よく海外でパスポートを無くした時に現地の大使館や領事館で「帰国のための渡航」と言う物を作ってもらって帰国したと言う話を聞くかと思います。ネット上にもこの手の話は多くありまして、帰国のための渡航書を検索すれば画像は山ほど転がっておりますw

この帰国のための渡航書は文字通り、日本に帰国するためだけにしか使えない物でして、日本に帰国した時点で無効になる一次渡航文書です。旅券法に定められておりまして「一般旅券(パスポート)及び帰国のための渡航書」は、原則として1人1通しか所有出来ませんので、帰国のための渡航書を発行してもらう段階で他にパスポートを持っている場合は無効になります。普通は、海外でパスポートを無くした時に発行してもらいますので、その無くしたパスポートが無効になると言う事でして、仮に後で見つかったとしても既に使えないように手配がされております。

 

今回、秘書子7号が悩んでいたのは、この「現地でパスポートを無くした」と言う事では無く、日本に到着し "帰国" の手続きをする段階でパスポートが無いと言う事を想定していたわけです。具体的に言いますと、彼女は事情がありまして、既に22歳を過ぎておりますが合法的に別の国の国籍も保持している重国籍者です。ですので、日本の出帰国でしか日本のパスポートは使わずに、現地では別の国のパスポートを使うと言う方法で、仮に日本のパスポートを現地のホテルに忘れて来ても、飛行機にチェックインして搭乗し日本に到着するまで気が付かない可能性もあるのです。

また、重国籍者で無くても発生するレアケースとしましては、飛行機の搭乗中にパスポートを無くす又は盗難と言う事もあります。いずれにしろ、日本の帰国手続き時にパスポートが無いと言う事になります。

この場合、既に日本に到着してしまっているので帰国のための渡航書は作りません。帰国のための渡航書を発行するのはパスポートと同じく外務省でして、入国審査官がいる入国管理局は法務省の管轄ですので、そもそも帰国のための渡航書を作る事も出来ません。では何を作るのかと言いますと「帰国証明書」と言う文書でして、これは結構珍しいものでネット上には画像は無いかな?どうかな?

そしてこの帰国証明書ですが、これで日本に帰国してもパスポートは無効になっているわけではありませんので、もし仮に後日見つかったとしたらそのまま使う事が可能です。ただ、パスポートが出国状態になったままですので次回日本から出国する時に必ず出国審査でひっかかりますから、帰国証明書をセットで持参する必要があります。

帰国証明書の珍しい使われ方としては、入国時にパスポートの有効期限が切れていたため無効になっており発行される事もありまして、時差が大きなアメリカを出発する時に有効期限の当日ですと、日本に到着した時に日付変更線を超えて翌日になっておりますので、このパターンとなります。また、外国で生まれた重国籍の赤ちゃんを連れて緊急に帰国した際に、日本のパスポートが間に合わず外国のパスポートしか持っていないために帰国証明書を使う事もあります。そのまま外国のパスポートで入国してしまう事も多いのですが、まあそう言う事も出来ると言う事で。 

 

これ、日本国籍を持っているかどうかの証明をどうやってやるのかと言いますと、以前は運転免許証や同行者の証言、戸籍抄本を代理取得してもらってFAXとかやっておりましたが今は割りとスムーズでして、先ほど書きました赤ちゃんのケース以外は、ほとんどの方が日本を出国して海外に行って帰国してきているわけです。

当然、日本を出国する際にパスポートを使っているでしょうから「出国した日・搭乗便と出国した空港・氏名・生年月日」これだけ分かれば、コンピューターを使ってパスポートの顔写真のページが表示出来ますので、本人かどうか見れば分かります。あと、パスポートを申請した際に記載した緊急連絡先は、本人なら覚えているでしょうし、仮に覚えていなくても、書きそうな先を羅列させればどれかは当たる可能性が高いですから、まず大丈夫です。ですから、この仕組を使って外国人が日本人に成りすまして入国するのは不可能です。

 

と言う事で、日本に到着した段階でパスポートが見つからなくても、日本人でしたら入国出来ずにトムハンクス主演の映画「ターミナル」のように、空港内で何ヶ月も過ごす事はありませんので、ご安心下さいww