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日常のつぶやき + 会社での出来事 + 奥様観察日記

皆さん最近、コメント欄を承認制にするのが流行ってるようなので、私もコメント欄をゲスト可の承認制にしてみました \(^o^)/

重国籍とアイデンティティと国家の存亡

いま、英国夏時間で9月15日午後2時半くらいです。日本は夜10時半、オーストラリア東部時間では夜11時半くらいです。

前回の更新から随分開いたのは、さすが今回の用事をしに来た場所だけありまして、ロンドンでバカンスしていた時のように暇ではありませんでした(汗;

今日の更新は、1日1回のノルマ達成用自動更新を使っちゃおうかなとも思ったのですが、この今回のお題は、何日か前から半分くらい書いてありましたので、こちらをお送りします。若干、時事ネタですしww

 

最近、ニュースでは蓮舫議員の重国籍問題が非常に取り沙汰されておりまして、基本的には日本国は重国籍を認めていないのに、割りと多くの方が重国籍だったりしまして、国籍法違反はスピード違反と同じような感覚麻痺を起こしている感じもあります。

しかし、スピード違反と違うのは、同じ重国籍状態の人でも日本国の国籍法的に問題が無い人も含まれていると言うところでして、これを一旦整理してみたいと思います。

 

まず、今も昔も変わらずに、重国籍が合法の方は

22歳に達していない者

細かく言いますと、20歳に達する前に重国籍になった者は22歳に達するまで、20歳に達してから重国籍になった者は重国籍になった時から2年以内です。この「達していない者」という言い方はあまり聞き慣れないかと思いますが、法律用語的な使い方の「未満」と同じだと思っていただいて構いません。要は、21歳までの人って事です。

 

次に、22歳に達した後でも重国籍が合法な方ですが

昭和60年1月1日の時点で重国籍になっており、かつ20歳に達して居なかった時点で重国籍であった者で、国籍の選択をしなかった者

これ、とても分かりづらく、しかも不正確にネット上で伝聞されているので、重要なポイントを3点書き出します

・昭和60年1月1日までに生まれた人限定です。 

・未成年で重国籍になっていれば適合しますので、一部で言われているような「出生時から重国籍」では無くても、両親などと一緒に、または養子縁組などで後から日本以外の国籍を取得していたとしてもかまいません。

・「本人が提出した」あるいは「親が本人に代わりに提出した」など提出者に関わらず、国籍選択届を提出しておりますと、その段階で日本以外の国籍を離脱する義務が発生しておりますので、重国籍が合法では無くなります。この日以前に生まれた者は、国籍選択届を提出しなかった場合のみ、自動的に「日本国籍を選択した」と言う、みなし選択した事になりまして「本人や親権者の意思に関わらず勝手に日本国籍が選択された」ため、日本以外の国籍の離脱義務が発生せず、重国籍が直ちに国籍法違反では無いためです。

 

帰化した者

帰化「だいきか」と、そのまま読みます。国籍法第9条に基づきまして、 法務大臣が国会の承認を得て許可するものですが、そもそも法務大臣が国会に承認を仰ぐと言う事から「許可」と言うのは法的な名ばかりで、特に日本に功績のあった外国人に対して、ある意味一方的に日本国籍を与えるわけです。ですから「日本国籍をあげたんだから、単一国籍になってね」なんて言えないわけですw

ちなみに、戦後いまの国籍法が制定されてから、誰一人としてこの大帰化を許可された者はおりません。完全な死文です。死文と言えば、私が大学時代に刑事訴訟法のお勉強に励んでおりましたところ、御璽(ぎょじ)偽造罪で家宅捜索があったと言う事例がありまして、驚愕しました。御璽って、天皇陛下が国事行為をするために使う印鑑でして「そんなものを偽造してどうするんだ?」と言うのと「罰金刑無くて、2年以上の懲役なのかよ。うへ~」って感じです。

 

話はちょっとそれたんですが、この3種類の重国籍合法という以外では、ブラジルのように国籍離脱が不可能と言う国の場合「しかたないね」って言う事にはなっております。本人が努力しても国籍離脱出来ないなら、そりゃ仕方ないわな。 


最近の重国籍に関する報道や、ネット上の書き込みを見ておりますと、やや感情論的な書き方の物が多くあります。報道に関しては、重国籍で無くても発生する事案を、さも重国籍だから発生するように思わせたり、ネット上の書き込みでは単に「ずるい」って言う嫉妬心が大半をしめているように思われます。

この「ずるい」なんですが、重国籍は権利だけのように思われがちなので、義務がある事を無視して論じている、または他人事なので権利だけしか見ようともしていない人が大半です。

重国籍者の義務と言いますと、大きなところでは「兵役」があったり「納税申告」があったりしまして、兵役はシンガポールなどでは国籍を持つだけで無く永住権を持っているだけでも課されます。

納税申告は、アメリカでは「全世界課税」と言いまして、アメリカの税法で計算した納税額から他国で納税した分を差し引き、差額は必ずアメリカに納税させると言う、ヤ◯ザもびっくりな方式だったりします。もし、アメリカとの重国籍者が日本で宝くじに当選しますと、日本では非課税ですがアメリカは宝くじに課税しますので、当然日本の宝くじの当選金からもアメリカに納税する義務が生じます。 

 

重国籍になる者は、多くの場合はそれぞれの国に対する結びつきがあるから重国籍になるのであって、例えば父がフランス人、母が日本人。仏語と日本語を話し、両国の文化も良く知っている者が、そのアイデンティティを維持するために、双方の国の国籍と言うのは非常に重要であると思います。

ところが、そこら辺の事情は一切関係無く、今現在生まれてくる子どもは、大きくなったら日本国籍を選択するなら他の国の国籍を放棄する事を求められております。

諸外国で重国籍を容認する最大の理由は、国家にとって重要な「人」と言う財産を維持するためでして、それは日本も同じはずなんです。例えば、ノーベル賞を受賞した南部陽一郎博士や青色発光ダイオードで有名な中村修二博士らは、重国籍が認められないため元々は日本生まれの日本人でありましたが、アメリカに帰化した時にそれぞれ日本国籍を離脱しており、アメリカ人としてノーベル賞を受賞しております。

 

父母が他国の者同士の場合、日本は同じ日本人同士での結婚が極めて高い国ですので、その父母がなんらかの特別な技能や学習を経験していた可能性は高くなります。例えば、留学しているとか、海外赴任を経験しているとか。また、出生地主義の国で生まれた子の場合、やはり両親が海外赴任して現地で生まれた可能性が高いといえます。

自ら進んで他国籍を取得した場合、非常に強力な日本のパスポートが使える日本人が、あえて他国籍を取る理由は、現地滞在での都合や結婚など、その国への忠誠よりもむしろ滞在するためのビザそして永住権の代わりにの場合が多くあるでしょう。そもそも、他国籍を取れる人物なので、それなりの方と結婚したか、あるいは優秀な方で海外赴任が長い方とかが多いかと思います。

 

通常の日本人にとって、重国籍と言うのは意味の分からない得体のしれないものかもしれませんが、日本人が他国籍を取得した際に国籍を離脱させるのは、優秀な人に「出て行け」と言っているのと同じだと私は思っております。

高額所得者にどんどん税負担を押し付け「いやなら日本から出て行け」というのと同じで、感情だけで重国籍者を攻撃し、国やマスコミの言う重国籍のマイナスポイントを鵜呑みにしていると、いずれ日本が本当に貧しい国になるような気がしてなりません。

 

報道もされませんし、ネット上で騒いでる方には見えないかもしれませんが、高額納税者はどんどん日本から流出してます。また、本来は海外から日本に来るはずであった外国人の高額納税者はどんどん香港やシンガポールに行ってしまってる現状があります。

その上、日本が本当に必要である優秀な人材まで、重国籍を認めないなんて言うつまらない理由で排除されて行ったら、どうなるか・・・ 


以上のことを全て踏まえた上で、それでも国家と国民のために働く国会議員は、日本国籍だけであるべきだとは思います。国家と国民のために働くのであれば、出生時からなのか帰化してなのかは、私は問いません。

あるいは、日本を愛して帰化した人であれば、出生時の日本人よりもより高い、日本人としてのアイデンティティを持っている人であるかもしれません。