満席の飛行機に乗る方法
この記事、実はいざと言う時のためにずっと前に書いたものですw
そう、もうどうしても今日は書けませんでした~残念!って言う時に、自動的に発動するように仕組んでると言うアレです。
多分、今日の私は仕事で疲れ果てて23時59分59秒までに何か書くことが出来なかったのでしょう。仕方ありませんので、ずっと昔の私がそんな今日の私に代わってブログを投稿します。
私も過去に何回か、本当に数える程度ですが普通運賃で飛行機に乗ったことがありまして、どうしてもその日のうちに目的地に着かなければならない場合、満席の飛行機に乗るために普通運賃で航空券を購入する事が座席確保の条件であったりするためです。
「満席の飛行機に、どうやって乗るんだよ?」って普通の方は考えると思うのですが、非常に簡単に言えば「高い運賃で乗ってくれる人を優先したいから、安い運賃の人に降りてもらう」と言うことですw
これがよく言われる「ボランティアの募集」でして、席を譲ってくれたお詫びに、翌日のビジネスクラスに乗せてもらえたり、その日は当然ホテルに無料で宿泊、場合によっては現金◯◯ドルなんてお小遣いがもらえたりします*1。
普通運賃が30万円の路線があったとして、格安航空券を5万円で売ってあったとしましょう。もし、5万円のお客さんを降ろして(降りてもらって)30万円払ってくれるお客さんを乗せたら、25万円収入が増えます。降ろしたお客さんに、補償として10万円使ったとしても、15万円は収入が多くなるんです。
飛行機って乗ると、よほどの閑散期でもない限り、7割8割は座席が埋まってませんか?繁忙期なら、ほぼ、どの便も100%近い搭乗率です。これ、事前に飛行機の座席の200%~300%くらいの予約を受けておりまして、過去のデーターからキャンセル率を計算し、出発時になるべく多くの座席が埋まるようにコントロールしております。
経営用語で「イールドマネジメント」と言いまして、その日その時にしか価値が無い物を売るための管理手法です。飛行機の座席・高速バスの座席・ホテルの部屋など、ある時間、ある瞬間にしか価値が無いもの、他にも自動車教習所実技教習の枠、美容院や歯科医院などの予約枠なんかもその類です。鉄道なんかも本来はそうなのですが、鉄道の場合は立ち乗りが可能であるため、飛行機の座席や高速バスなどと比べると、それほど高い精度は要求されません。
その計算の中には、キャンセル料金が掛かるようになってからキャンセルされる率も含まれておりまして、大幅に安い値段で売った航空券の損失は、一部キャンセル料金で埋め合わされたりもしております。
かなり早く売り出される格安な航空券を購入したまま誰もキャンセルせずに、そのまま使う人たちが増えた場合、将来的には航空券の運賃は上昇する事になってしまいます。例えば、半年前から3万円程度で予約した海外へ行く航空券があったとして片道1万5千円、これ、絶対に燃料代と機内食代だけでこの金額を超えてます。
ですので、埋まらなそうな座席を安く売って埋め、その代わりキャンセル代は高く設定しておき、ある程度はキャンセルしてもらってキャンセル代も頂き、直前まで高い料金で買ってくれる人用の座席だけ確保しておく。そして、最終的に満席で飛ばすのが一番儲かるわけです。
ですが、残念ながら満席で飛ぶ便は非常に少なく、ある日ある時間に売れ残った物、例えば飛行機の座席が埋まらずに出発した場合、ゲートクローズした瞬間に価値がゼロになります。「だったら、無料で誰か乗せてもいいじゃん」そう言う発想から、マイレージ制度が登場しました。
「マイレージで飛行機に乗ると、その区間の航空券代分が無料になってお客さんは得した気分になる」「航空会社にとっては、もともと空席で飛ばす予定だった座席に自社を普段からよく使ってくれるお客さんを乗せて、囲い込みができる」両者にとって非常に良い関係だったんです。
それもこれも、イールドマネジメントをする事で、需要見込みが非常に高い制度で予測できるようになり、無料で使ってしまっても問題無い座席を事前にコントロールできるようになったからなんです。それが今や、航空会社は他社にマイレージ用のマイルを販売する事で、このおまけ制度であったマイレージによって収益を上げるようになってきました。
満席の飛行機に乗る方法から、マイレージの歴史に話が変わってしまいましたw
*1:日本の国内線ですと、謝礼は一律で当日の他の便への振替で10,000円又は7,500マイル、翌日の他の便への振替で20,000円又は15,000マイル、当然この他に宿泊が必要な翌日の他の便への振替では宿泊費又はホテルが提供されます。